生体認証とは?特徴や認証の種類・メリット・デメリットなどを解説

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企業秘密や個人情報を保有する企業は、情報漏洩や不正アクセスから防ぐための対策の一つとして、個人のなりすましを防ぐ仕組みづくりが必要です。

指紋認証や顔認証など、身体の特徴を利用する生体認証はスマートフォンの認証にも使われており、多くの企業やサービスでも取り入れられるようになりました。

生体認証は人間の身体の一部を認証情報として使用するため、なりすましが難しいため安全性が高いうえに、利便性にも優れており、確実な本人認証の仕組みとして注目されています。

自社の情報資産保護のため、セキュリティ強化の一環として生体認証を導入したくても、生体認証にはどのような種類があるのか、生体認証のメリット・デメリットはあるのかなどがわからない担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、生体認証とは何かを説明するとともに、生体認証の種類やメリット・デメリット、生体認証導入時のポイントについて解説します。

なりすましの代表的な手口については、以下の記事もあわせてご参照ください。
【事例あり】なりすましの代表的な手口とは?具体的な種類から対策まで徹底解説


目次[非表示]

  1. 1.生体認証とは
    1. 1.1.生体認証が重要視されるようになってきた理由
    2. 1.2.生体認証を活用したサービスや活用シーン
  2. 2.生体認証の種類
    1. 2.1.指紋認証
    2. 2.2.指静脈認証
    3. 2.3.声紋認証
    4. 2.4.虹彩認証
    5. 2.5.耳介認証
    6. 2.6.顔認証
    7. 2.7.DNA認証
    8. 2.8.行動認証(行動的生体認証)
  3. 3.生体認証のメリット・デメリット
    1. 3.1.生体認証のメリット
    2. 3.2.生体認証のデメリット
  4. 4.生体認証導入時のポイント
    1. 4.1.複数の生体データを登録しておく
    2. 4.2.再現性が低い生体データを採用する
    3. 4.3.生体認証以外の認証方法と併用する
  5. 5.ネクスウェイなら高精度生体認証技術で本人確認が可能
  6. 6.生体認証の導入でセキュリティを向上させよう

生体認証とは

生体認証とは、指紋や顔、網膜や虹彩、静脈といった個人によって異なる身体的特徴を使用して本人確認を実施する認証方式で、バイオメトリクス認証とも呼ばれています。一人ひとりに固有である身体的特徴を、事前にシステム側に生体情報として登録し、認証時に登録した情報と比較することで本人の特定を実施します。

かつては機密性の高い情報を管理する企業などで導入されていましたが、近年では技術の進歩により、スマートフォンの認証にも用いられたことで一般的な認証方法として認知されてきました。

昨今、身近なシーンでも利用が広がっている生体認証ですが、なぜ生体認証が利用されるようになったのでしょうか。本項では、生体認証が重要視されるようになってきた理由について解説するとともに、生体認証を活用したサービスや活用シーンについても解説します。


生体認証が重要視されるようになってきた理由

生体認証が重要視されるようになってきた理由として、認証が必要なシステムや端末の重要性が高まり、セキュリティ意識が向上したことがあげられます。

スマートフォンは各種情報にアクセスしやすい便利なデバイスとして登場しましたが、近年は決済機能を保有することで財布としての役割も持ち、重要度がさらに高まっています。そのため、パスワードのみの単純なロック機能だけでは不十分になり、指紋や顔による認証が採用されるようになりました。

従来のパスワードによる認証には漏洩・流出、総当たり攻撃で突破されるリスクがあり、ICカードには紛失や忘れるリスクがありますが、生体情報はそうしたリスクが低く、なりすましも困難なため、利便性と高いセキュリティを両立できる認証システムとしてビジネス利用が進んできました。また、近年ではスマートフォンのロック解除にも利用されるようになり、一般的な認証方式となっています。


生体認証を活用したサービスや活用シーン

生体認証を活用したサービスや活用シーンは、これまでビジネス利用が主流でしたが、昨今では身近なシーンでも利用が広がっています。ビジネスにおいては、これまでビルやオフィスの入退室にはICカードが利用されることが一般的でしたが、顔認証を用いた入退室管理を導入することで、カードの紛失やなりすましの防止を実現した事例があります。

また、業務システムのログインにICカードを利用していた企業が静脈による認証を導入することで、セキュリティレベルの向上や、手間のかかるICカード運用の廃止を実現しました。

身近な利用シーンとしては、スマートデバイスのロック解除に指紋や顔が用いられたり、金融機関においてもインターネットバンキングが本人確認時に顔による認証が活用されていたりする例が挙げられます。また、一部の銀行ではATM利用時に静脈による認証が利用可能です。生体認証を活用したサービスはビジネスだけでなく、身近な認証方法として活用シーンが広がっています。


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生体認証の種類

従来のID・パスワードによる認証方式と比較して、高い安全性や利便性を有する生体認証ですが、生体認証にはどのような種類があるのでしょうか。本項では、生体認証の種類として代表的な認証方法8種類についてそれぞれ解説します。


種類

概要

指紋認証

指紋の模様や指の形状、表面の凹凸を読み取ることで個人を特定します

指静脈認証

血管の形や分岐、方向などから個人を特定します。

声紋認証

周波数分布や音程、発声の速さなどをマイクで読み取ることで個人を特定します。

虹彩認証

瞳の瞳孔の周りにある「虹彩」と呼ばれる部分を解析して個人を特定します。

耳介認証

耳の形、大きさ、位置を特定することで個人を特定します。

顔認証

顔の輪郭、目や鼻のパーツの配置の特徴を取り出し、画像認識技術によって解析することで個人を特定します。

DNA認証

人により異なる特性があるDNAの塩基配列を解析することで個人を特定します。

行動認証(行動的生体認証)

歩き方やスマートフォンなどのタッチスクリーンの操作など、癖を分析することで個人を特定します。


指紋認証

指紋認証とは、指紋の模様や指の形状、表面の凹凸を読み取ることで個人を特定する認証方法で、スマートフォンのロック解除や入退室に制限が必要なドアの電子ロック解除などで使用されています。指紋は個人によって異なり、生涯変化しないため、誤認証が少ないことが特徴です。

指紋の読み取り装置は小型で安価なため導入が容易ですが、指に汚れが付着したり、指紋が摩耗したりすると認証時にエラーとなり認証精度に影響が出やすいという注意点があります。しかし、導入が容易でありながら、識別率が高いため、導入率の高い認証方法です。


指静脈認証

指静脈認証とは、血管の形や分岐、方向などから個人を特定する認証方法で、高い認証精度を実現できることから、銀行のATMで多く利用されています。静脈は赤外線を透過しづらい特性があるため、近赤外線を指に照射することで、透過した第二関節までの静脈パターンを照合します。

静脈は指の内部にある血管であり、指紋のように摩耗することはありません。また、外部から観察したり偽造したりすることが困難なことから、高いセキュリティ強度を担保可能です。しかし、認証装置が高額なことから、導入のハードルは高いといえます。


声紋認証

声紋認証とは、周波数分布や音程、発声の速さなどをマイクで読み取ることで個人を特定する認証方法で、電話業務の多いテレフォンバンキングやコールセンターでの本人確認に使用されています。

音声認識用のマイクと認証用のソフトウェアを用意するだけで導入できるため、少ない設備投資で導入可能で、スマートフォンやタブレットなどの汎用的なマイクを利用しても認証できます。

音声を使った認証のため、言語に縛りがないことから、日本語がわからない従業員やユーザーでも問題なく認証可能です。また、認証時に特定のフレーズを使用したり、自由なワードを一定期間話したりすることで本人を特定する方法など、さまざまな認証方法があります。しかし、風邪などの体調不良で一時的に声が変化したり、雑音が紛れ込んだりすると認証を正しくできないリスクもあります。


虹彩認証

虹彩認証とは、瞳の瞳孔の周りにあるドーナツ状の模様の「虹彩」と呼ばれる部分を解析して個人を特定する認証方法で、空港の入出国ゲートなどで利用されています。虹彩には人それぞれ異なるシワが刻まれており、遺伝的な影響を受けないため双子(一卵性双生児)でも同一にはならず、左右でも異なるので、それぞれの目で認証できます。

偽造やなりすましが困難であり、認証精度が高いというメリットがあり、非接触で認証できることから衛生面でも優れていることが特徴です。


耳介認証

耳介認証とは、耳の形、大きさ、位置を特定することで個人を特定する認証方法で、犯罪捜査などで使われています。耳の形は体格や顔と比較すると加齢や化粧による変化が少なく、指紋と異なり汚れや怪我によるエラーも少ないため、耳介認証では比較的精度の高い認証を実現可能です。

カメラで耳の形を撮影したり、イヤホン型の認証デバイスで検査音を発し、耳から反射した音の個体差を利用したりして判別する方法があります。身体の内部情報を利用するため、他人によるなりすましが不可能という特徴もあります。


顔認証

顔認証とは、カメラを使用して顔の輪郭、目や鼻のパーツの配置の特徴を取り出し、取り出したデータを画像認識技術を用いて解析することで個人を特定する認証方法です。スマートフォンのロック解除や空港の入国審査に利用されています。

虹彩認証と同様に非接触で衛生的な認証方法ですが、化粧や加齢、整形によって顔が変化すると正しく認識できなくなる可能性があります。また、顔認証を利用した決済システムも登場したことで、重要性はさらに高まっていますが、顔の見た目は重要な個人情報に該当するため、データの管理には細心の注意が必要です。

空港の入国審査での顔認証の活用では、認証装置を通過するだけで認証を実施するため、人間による入国審査手続きを大幅に削減でき、業務の効率化やリソースの削減に貢献しています。また、eKYCの一部では顔認証を活用した本人確認を実施するサービスを提供されており、顔認証の活用機会は急速に広がっています。

顔認証の詳細については、以下の記事もあわせてご参照ください。
顔認証システムとは?仕組みやメリット・活用シーンを解説


DNA認証

DNA認証とは、人により異なる特性があるDNAの塩基配列を解析することで個人を特定可能な認証方法で、犯罪捜査に利用されています。DNAはあらゆる細胞に格納されているので、髪の毛や爪、血液など、ほんの少しの手がかりから認証でき、塩基配列を特定できれば非常に高い精度で個人を特定可能です。しかし、現在も研究が続けられているものの、人間の塩基数は膨大なため認証には長い時間がかかり、DNA情報を抽出する試薬も高価なことから、他の生体認証と比較するとコストパフォーマンスや普及率は低いのが現状です。


行動認証(行動的生体認証)

行動認証は歩き方やスマートフォンなどのタッチスクリーンの操作など、癖を分析することで個人を特定する認証方法で、印鑑を使用する日本では浸透していないものの、サインを利用する国では一般的に使用されている認証方法です。

文字を書く癖は第三者が容易に真似できないため、信頼性の高い認証方法とされており、筆跡だけでなくキーボードやマウス、タッチスクリーンの操作など個人の癖が無意識に現れる行動が行動認証として利用されます。1つであれば特徴を真似したり偽造したりすることは容易ですが、行動認証においては複数の特徴を総合的に判断するため、認証の確実性は比較的高いことが魅力です。

行動認証は行動的生体認証とも呼ばれており、これまでに解説した生体認証が先天的な生来の身体的特徴を利用したものであったのに対し、後天的に獲得した習性を利用した認証という特徴があります。


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生体認証のメリット・デメリット

生体認証の導入には、以前から利用されているID・パスワードやICカードによる認証と比較すると多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットもあるため、導入時には自社に合うかどうかを確認する必要があります。本項では、生体認証のメリットとデメリットについてそれぞれ解説します。


生体認証のメリット

生体認証を導入するメリットはいくつかありますが、最大のメリットは紛失しないことです。認証には身体的特徴を用いるため、カードやパスワードのように紛失したり失念したりすることがありません。また、パスワードを記憶したり、ICカードなどの物理的な情報を持ち運ぶ手間も省けます。

また、身体的特徴を利用しての認証のため、ICカードのように盗まれたり、パスワードのように漏洩したり流出したりするといったリスクが低く、特に虹彩認証や指静脈認証の場合は、第三者による取得・悪用は非常に困難です。


生体認証のデメリット

生体認証を導入するデメリットとしては、生体情報が変化する場合があることが挙げられます。顔認証であれば、マスクやメガネの使用や化粧によって認証されなくなったり、指紋認証でも怪我をすることで指紋が変化したりする可能性があります。

また、生体情報の盗用や偽造は極めて困難ですが、絶対にできないわけではありません。指紋や音声は入手可能であり、SNS上の高解像度の写真から指紋情報が再現されてしまった事例もあります。

生体認証を導入することで、高度なセキュリティを実現できますが、すベてのリスクに備えることはできません。そのため、認証に複数の要素を利用する二要素認証を活用することで、さらにセキュリティレベルを向上できます。

少しでもリスクに備えたいのであれば、生体認証だけでなく、認証に複数の要素を用いる、二要素認証の活用も検討してみてはいかがでしょうか。

二要素認証の詳細については、以下の記事もあわせてご参照ください。
二要素認証(2FA)とは?二段階認証との違いや認証方法の具体例を紹介


生体認証導入時のポイント

生体認証の導入は高度なセキュリティや高い利便性を実現できますが、盗用や偽造を絶対に防げるわけではなく、身体的特徴の情報が流出した場合には大きなトラブルにつながる可能性があるため、導入には細心の注意が必要です。本項では、生体認証導入時のポイントとして下記の3点を解説します。

  • 複数の生体データを登録しておく
  • 再現性が低い生体データを採用する
  • 生体認証以外の認証方法と併用する


複数の生体データを登録しておく

生体認証を導入する際は複数の生体データを登録しておくことがおすすめです。生体情報は一人ひとりに固有の情報であるものの、生涯を通じて絶対に変化しないわけではありません。指紋情報は指先に傷がある場合や、汚れが付着している場合には使えなくなる可能性があります。

そのため、複数の指の指紋を登録しておいたり、顔情報の場合も正面からの平面情報だけでなく、複数の角度からの立体的な情報を登録しておいたりすることがポイントです。


再現性が低い生体データを採用する

生体認証を利用する際は、静脈や虹彩などの再現性が低い生体データを採用することがおすすめです。指紋認証は他の場所で採取した指紋を利用することで突破が可能であり、精度の低い顔認証システムでは顔写真で認証を通過できるものもあります。

生体認証の精度は日々向上しているため、簡単には突破できないものが多いですが、高いセキュリティレベルが求められる場合は指紋よりも静脈や虹彩などの利用を検討しましょう。


生体認証以外の認証方法と併用する

生体認証以外の認証方法との併用も生体認証を導入する際のポイントです。加齢や外的要因によって生体情報が変化したり、システムの不具合でエラーが発生したりすることもあるため、バックアップの認証方法を整備しましょう。スマートフォンのロック解除においても、顔認証ができない場合はパスワードでの解除も可能です。

生体認証以外の認証方法と併用することで、柔軟な運用が可能になります。ただし、パスワードを併用する場合は、情報漏洩に注意する必要があります。社内でセキュリティ研修を開催するなど、従業員一人ひとりのセキュリティに対する高い意識づくりが必要です。

二要素認証の認証方法の詳細については、以下の記事もあわせてご参照ください。
二要素認証(2FA)とは?二段階認証との違いや認証方法の具体例を紹介


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ネクスウェイなら高精度生体認証技術で本人確認が可能

ネクスウェイ本人確認サービスのeKYCサービスなら、米国の入国審査でも導入されている生体認証技術を採用しているため、世界最高水準の照合精度で本人確認を導入可能です。

スマホやパソコンのカメラを利用した高性能な画像認識技術で本人確認を実施するため、まばたきや視線検知などライブネス判断が可能となり、不正、なりすましを防止できます。また、システムによる検査だけでなく、スタッフによる目視確認も実施するため、高精度で安全な本人確認を実現します。

加えて、ネクスウェイのeKYCサービスは顔認証と本人確認書類による本人確認だけでなく、顔認証とICチップの読み取りによる本人確認も可能なため、業務内容やサービス内容に応じて柔軟な本人確認を実現可能です。

生体認証を活用した本人確認の実施を検討しているのであれば、ネクスウェイ本人確認サービスを検討してみてはいかがでしょうか。


→ネクスウェイ本人確認サービスの資料を見てみる


生体認証の導入でセキュリティを向上させよう

生体認証は、盗用や偽造のリスクが低く、パスワードを記憶したりICカードなどを持ち運んだりする必要もないため、従来のID・パスワード認証と比較すると高いセキュリティ強度と利便性を両立できる認証方式です。

しかし、加齢や外的要因で生体情報に変化が生じる可能性や、生体情報の流出が個人情報の流出に直結する可能性など、デメリットもある認証方法です。そのため、生体認証を導入する際は、複数の生体データを登録しておく、再現性が低い生体データを採用する、生体認証以外の認証方法と併用するといったポイントを押さえる必要があります。

生体認証を導入することで、従来のID・パスワード認証よりも高いセキュリティの実現を検討してみてはいかがでしょうか。

生体認証を活用した本人確認の導入を検討しているのであれば、高精度生体認証技術で本人確認が可能な、ネクスウェイ本人確認サービスの導入を検討してみてください。


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