継続的顧客管理とは?よくあるお悩みをeKYC化で解決する方法
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銀行で口座を開設する際には、本人確認書類と本人の容貌を照らし合わせて「本人確認」を行います。口座を不正に利用する犯罪を徹底的に防ぐには、開設時だけではなく、利用中も定期的に本人確認を行う必要があります。
それが「継続的顧客管理」です。継続的顧客管理は、リスクの高い顧客だけではなく、全ての口座に対して実施をすることが求められています。
その背景には、どのような理由があるのでしょうか。また、継続的顧客管理を行う上で金融機関が抱えている課題と、それを解決する「eKYC(オンライン本人確認)」について詳しく解説していきます。
目次[非表示]
継続的顧客管理の必要性とは
継続的顧客管理とは、金融機関などが顧客に対して定期的に本人確認を実施することで、なりすましや架空の名義による不正利用を防止する対策の一つです。
新規に口座を開設する際には、必ず本人確認を実施します。これは法律で義務付けられています。不正利用を防ぐために重要な本人確認を、開設時の1回きりでは不正を防止しきれないため、継続して行うことが求められます。
継続的顧客管理の実施は、国として取り組むべき課題でもあります。そのため金融庁からは、ここ数年の間に全ての口座の顧客情報を取得しリスク評価を行うよう、継続的顧客管理を徹底する指示が出されています。
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マネーローンダリングやテロ資金供与を防ぐ
継続的顧客管理によって、どのような不正利用を防止しているのかに関して詳しく説明いたします。
架空の顧客情報によって不正に口座を開設する目的の多くは、犯罪組織による資金洗浄(マネーローンダリング)です。「汚れたお金」とも言われる犯罪によって得た資金を洗浄するため、実在しない個人や法人名義で口座を開設する手口が国際的に問題視されています。資金洗浄だけではなく、テロ組織の資金調達ルートとして利用されることもあるのです。
この手口を防止するため、「犯収法(犯罪収益移転防止法)」という法律に準拠した本人確認が実施されています。
画一的ではなくリスクベースの取り組みを
継続的顧客管理は、膨大な顧客に対して定期的に本人確認を実施する必要があるため、つい形式的に行ってしまいがちです。顧客によっては転居などが原因で連絡を取ることが困難な場合もあり、作業コストがかかってしまい、さらに徹底した管理が難しくなるという悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。
しかし、金融庁はこの継続的顧客管理を画一的ではなく顧客ごとのリスク評価に基づいたリスクベースで行うことを求めています。ただ顧客ごとのモニタリングをより厳しくしましょう、ではなく、顧客ごとに正しくリスク評価を行い、評価に合わせた的確なフォローをすることが重要です。
2024年春までに完全実施が求められている
なぜ金融庁は継続的顧客管理の徹底を重要視しているのでしょうか。その背景には、世界規模の犯罪を防止するための取り組みがあります。
金融機関の不正利用によるマネーローンダリングやテロ組織への資金供与は、国際的な問題となっています。その対策の基準は、「FATF(Financial Action Task Force)」という国際組織によって作られています。
FATFは各国の金融機関の取り組みを定期的に審査しています。2021年に行われた審査の結果、日本への判定は実質不合格となってしまいました。貴金属や宝石商、弁護士といった金融以外の業種でも、資金洗浄に対する対策に不備があると指摘がありました。
そのため、国内の金融機関に向けて2024年春までに継続的顧客管理の完全実施が求められています。
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継続的顧客管理の実施方法
従来の継続的顧客管理はどのように行われているのかを詳しく見ていきましょう。継続的顧客管理は主に以下の流れで実施されています。
- 質問票の送付
- 質問票の回収
- 審査・入力
一つずつ解説していきます。
質問票の送付
まず、顧客に対して、現在登録されている情報から変更がないかの確認を行う質問票を郵送し、返送を求めます。高リスク先の顧客に対しては年に1回、中リスク先は2年に1回、低リスク先は3年に1回といった形で頻度を設定して送付を行います。
質問票の回収
回答済みの質問票を回収します。基本的には顧客からの返送を待つことになります。転居や倒産などのケースで質問票が届かなかった場合は電話で連絡をとる、訪問をするといった別途対応が必要となります。
また、「なぜこのような確認を行うのか」といった問い合わせの連絡が来ることもあります。その場合は、継続的顧客管理について説明をして納得してもらう、顧客対応が発生します。
審査・入力
回収した質問票の内容を審査し、データとして入力をします。審査はすでに自社のデータベースに登録されている内容から変更点がないかをチェックして行われます。
疑わしいと判断される項目としては、
- 国内取引が多いはずの法人が海外送金を頻繁に行っている
- 学生であるはずなのに多額の入出金の履歴がある
といった内容が挙げられます。
このような場合に、質問票の回答で「国内取引が多い法人」「学生」といった属性の申告を審査することで、リスクに気づくことができます。
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継続的顧客管理のよくあるお悩み
口座の不正利用による犯罪を防止するための継続的顧客管理ですが、実際に行ううえでの課題や悩みを多くの金融機関が抱えています。
ここでは、継続的顧客管理の推進を難しくする要因にもなりうる、よくあるお悩みをご紹介いたします。
- 顧客との連絡手段が統一できない
- リスク発生時、自動検知されるシステムがほしい
- 本人確認業務に手間や時間がかかり過ぎている
- 紙の質問票の対応にかなりの時間を要する
一つでも当てはまった事業者の方は、ぜひ次項の解決策をご検討ください。
1.顧客との連絡手段が統一できない
継続的顧客管理に用いられる連絡手段は郵送だけではなく、メール、ショートメッセージ、電話といった方法があります。
顧客の状況に合わせて、臨機応変に最適な手法に切り替える必要があり、その対応による社内作業コストが課題となっている金融機関が多いようです。
大手であればコールセンターなどの設備が整っているかもしれませんが、中小の金融機関ではこのような作業によって社内のリソースが圧迫されるのは大きな問題となります。
2.リスク発生時、自動検知されるシステムがほしい
これまでリスク評価が低かった顧客の口座において、「突然住所が変わった」「疑わしい口座間の取引があった」といった動きが検知され、リスクレベルが上がったとします。
その場合に、質問票の内容を変更する、本人確認の頻度を上げるといった対応を行わなくてはなりません。全て人力で行っていると、見落としや人為的ミスが発生するだけでなく、管理にかかる業務量も問題となります。
「リスクが発生したら自動通知され、漏れなく対応される」という一連をシステム化したいという悩みを持つ金融機関に多いでしょう。
3.本人確認業務に手間や時間がかかり過ぎている
顧客から質問票が返送されたら、その内容と登録データの相違を確認し、然るべき対応を判断する必要があります。ここの突合確認の業務コストが、大きな課題となっているようです。
返送された質問票も、登録データも、顧客から預かっている個人情報です。簡単にリソースを増やすことはできないため、継続的顧客管理を徹底したくても「人手不足」が原因となり推進が難しいという悩みを抱えてしまうようです。
4.紙の質問票であるゆえにかなりの時間を要する
継続的顧客管理の要となる質問票を、紙の書類で扱っていると、作成・送付・回収全ての工程においてかなりの時間を要することになります。郵送した質問票が返送されないと、届いていないのか、返送に問題があってこちらに届いていないのかといった顧客側の進捗がわからず、催促や確認の連絡をする手間が発生します。
このように、継続的顧客管理=実務が増える・手間がかかるといったイメージが定着してしまっている事業者も少なくないのではないでしょうか。
これらの課題や悩みを解決するのは、継続的顧客管理シーンへの「eKYC(オンライン本人確認)」の導入です。
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継続的顧客管理のeKYC化を実現するソリューション
eKYCとは、従来では窓口や郵送によって実施していた本人確認を、スマートフォンやパソコンのカメラを利用してオンライン上で完結する手法のことです。個人向けのクレジットカードの発行や、金融サービスの利用開始時といったシーンで多く利用されていますが、継続的顧客管理においても導入が進んでいます。
顧客にとっては、スマホ一つで完結し、返送をする手間がかからないという利点があります。金融機関にとってeKYCを導入することでどのようなメリットがあるか、詳しく解説いたします。
オンラインだから通知の到達・進捗確認が可能
顧客に向けてメール配信、またはQRコードを印刷したハガキの送付によってeKYCシステムに誘導します。eKYCなら、顧客が本人確認を実施する進捗を追跡することが可能です。ただ返送を待つのではなく、顧客の進捗状況に合わせた能動的な対応を取ることができます。
「でも、顧客へのメール配信やハガキの郵送は結局自社で行わなければならないの?」と思うかもしれませんが、ご安心ください。eKYCシステムの提供と合わせて、本人確認業務にかかわるBPOサービスまで提供しているeKYCベンダーに依頼をすることで、継続的顧客管理の本人確認に関わる業務をワンストップかつ安全にアウトソーシングできます。
素早い導入・運用が可能
eKYCは、自社でシステムを構築するとなると大変な費用と開発期間がかかりますが、eKYCシステムをパッケージで提供しているサービスを利用することで素早い導入とスムーズな運用が実現できます。
eKYCは犯収法に準拠した本人確認方法であるため、セキュリティ面でも安心です。多くの金融機関への導入実績があるeKYCベンダーを選ぶことをおすすめします。
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eKYC導入なら「ネクスウェイ本人確認サービス」
継続的顧客管理のためのeKYC導入を検討しているなら、ぜひ「ネクスウェイ本人確認サービス」にご相談ください。
ネクスウェイ本人確認サービスは高水準のセキュリティ強度を誇るeKYCシステムと、目視による本人確認や郵送といった業務を行うBPOサービスをオールインワンパッケージで提供しています。料金形態も利用件数に応じた従量課金制となっているため無駄なコストが発生しません。サービス立ち上げにおけるスモールスタートにも最適です。
eKYC導入には、ぜひ「ネクスウェイ本人確認サービス」をご検討ください。
まとめ
継続的顧客管理の重要性と社内リソースの負担を削減して効率よく実施するための「eKYCと本人確認業務のBPOサービス」というソリューションについて詳しく解説いたしました。
多くの金融機関において、リスクベースの継続的顧客管理をどのように実施していくかは大きな課題となっています。オンライン化というと、「利用者によっては操作が難しいのでは」というような懸念が出てくるでしょう。その場合は、ケースバイケースで郵送にも切り替えられるBPOサービスを利用することで解決できます。
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継続的顧客管理のお悩みは、eKYCとBPOサービスをまとめてアウトソーシングできる、「ネクスウェイ本人確認サービス」にお任せください。