企業で重要視されている「法人確認」とは?確認すべきポイントを解説
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取引先が架空の法人ではないか、あるいは犯罪に関わる組織でないかなどを確認する「法人確認」は、オンライン取引が拡大した昨今、BtoB企業で重要視されています。
しかし、実際に確認業務にあたっていても、法人確認の必要性や確認するポイントについての疑問がある方は多いのではないでしょうか。この記事では、法人確認について詳しく解説するとともに、実施する根拠の一つとなる犯罪収益移転防止法における確認要件についても説明します。
目次[非表示]
- 1.法人確認とは
- 1.1.法人確認が必要な理由
- 2.法人確認が必要な業種・サービス
- 3.法人確認でチェックすべきポイント
- 4.担当者の本人確認で見るべきポイント
- 5.特定事業者が行うべき法人確認
- 6.法人確認はeKYC化することも可能
- 7.法人確認を行うなら「ネクスウェイ本人確認サービス」
- 7.1.eKYCサービス
- 7.2.本人確認BPOサービス
- 7.3.本人確認・発送追跡サービス
- 8.まとめ
法人確認とは
企業などの法人や、NPO団体などの人格のない社団または財団に対して行う本人確認を「法人確認」と言います。犯罪収益移転防止法(犯収法)では、個人(自然人)だけでなく、法人・人格のない社団または財団も本人確認の対象者として定義しています。
犯収法については、「犯罪収益移転防止法とは?概要や本人確認(eKYC)の要件について」の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
法人確認が必要な理由
法人確認を含む本人確認は、前述の犯収法において特定事業者へ義務付けられています。
犯収法は、マネーロンダリングやテロ組織への資金供与を防ぐことを目的に定められた法律です。法人確認を実施することで架空の法人口座が開設されるのを防いだり、実際には存在しない社員による詐欺などの犯罪行為を防止したりするのが主な理由になります。
携帯電話不正利用防止法や古物営業法など、犯収法以外でも本人確認を義務付けている法律もあります。
犯収法以外の本人確認を義務付けている法律については、「本人確認義務に関する法律とは|内容や違いを比較して分かりやすく解説」の記事を参考にしてみてください。
法人確認が必要な業種・サービス
法人確認は法人との取引があるすべての業種で必要ですが、その中でも特に法人確認が必要になるケースが多い業種・サービスとしては、以下のような種類が挙げられます。
●電話転送業者
●SIMカード事業者
●郵便物受取業者
●レンタルオフィス事業者
●バーチャルオフィス銀行
●金融事業者
●証券取引業
●クレジットカード事業者
携帯電話不正利用防止法の遵守義務がある電話転送業者やSIMカード事業者、犯収法の特定事業者で法人取引がある事業者は、クライアント企業に対する法人確認が重要になります。
法人確認でチェックすべきポイント
法人確認が必要な業種はさまざまですが、法人確認を行う際にはどのような点を見るべきなのでしょうか。ここでは、法人確認においてチェックすべきポイントを3つ紹介します。
●取引相手が存在するかを確認する「存在確認」
●本社所在地が正しいかを確認する「住所確認」
●反社会的勢力の疑いがないかを確認する「反社チェック」
次から、それぞれの項目について詳しく解説します。
取引相手が存在するかを確認する「存在確認」
チェックポイントの一つ目は、取引する企業が架空法人ではないこと、あるいは担当者が架空の人物でないことを確認するための「存在確認」です。法人が実在することを確認する方法には、以下のようなものがあります。
●国税庁法人番号公表サイトで法人番号や商号・名称、本店または主たる事務所の所在地から検索する
●登記情報提供サービスから不動産登記情報などを検索する
●東京商工リサーチ、帝国データバンクなどの情報団体から情報提供を受ける
このうち、法人番号公表サイトと登記情報提供サービスは無料で利用できますが、情報団体からの法人情報提供を受ける場合は有料なので、利用する際には注意が必要です。
本社所在地等が正しいかを確認する「住所確認」
本社所在地として提出された住所が架空のものでないか、あるいは実際にオフィスとして稼働しているかどうかを確認するのが「住所確認」です。法人登録を行う際に、記載されている住所が正しいかどうかのチェックはされないので、偽の住所で登録された架空法人ではないかをしっかり確認しておくことも大切です。
具体的に確認する方法としては、示された住所に転送不要郵便や往復ハガキといった郵便物を送付するなどがあります。
反社会的勢力の疑いがないかを確認する「反社チェック」
取引する法人が反社会的勢力と関わりがないか、あるいは勤務者など法人に関わる人物に反社会的勢力と関係を持つ者がいないかを確認するのが「反社チェック」です。昨今の反社会的勢力は、一見普通の企業を装っているケースが増えています。そのため、反社会的勢力と気がつかないまま取引や関係を持ってしまうリスクが常にあるのです。
法人確認で反社チェックを行うのは、反社会勢力への資金供与を防ぐとともに、会社のコンプライアンスや法的責任を守り、社会的な信用を保つ意味合いもあります。
企業で取り組む反射チェックの方法としては、Webや新聞記事によるデータベースの検索、反社会的勢力情報のデータベースの活用などが挙げられます。
反社チェックのやり方についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
反社チェックのやり方とは?調査するべき対象や対処法などをご紹介
担当者の本人確認で見るべきポイント
法人確認でチェックすべきポイントについて解説しましたが、事業者の中には上記で紹介した内容の他に、担当者の本人確認を行っているところもあります。ここでは、担当者の本人確認も行っておきたいという事業者のために、個人の本人確認の方法についても見ていきましょう。
個人の本人確認において注目すべきポイントは、「身元認証」と「当人認証」の2つです。それぞれの認証方法ごとの違いは下記のようになります。
身元認証 |
運転免許証やマイナンバーカードといった本人確認書類で確実に身元が保証されているかどうかを確認する |
当人認証 |
本人確認書類、ID・パスワード、生体認証などによって取引をしているのが本当に契約者本人なのかを確認する |
これらの本人確認を行うことで、データを偽造された架空の人物からの申し込みではないか、不正に第三者からデータを悪用された申し込みではないかなどを確認するのです。
特定事業者が行うべき法人確認
ここまでは事業者の種類を問わず、一般的な法人確認について説明しましたが、犯収法の遵守義務がある特定事業者では、前述のポイントに加えてさらに確認すべき項目があります。下記の2つの種類ごとに詳しく解説していきます。
●通常の特定取引
●ハイリスク取引
特定事業者が行う法人確認の内容について、具体的に見ていきましょう。
通常の特定取引
通常の特定取引では、本人確認で以下の項目を確認する必要があります。
本人特定事項 |
書類1種類による法人の名称・本店あるいは主たる事務所の所在地の確認 |
取引を行う目的 |
取引によってどのような内容を達成したいのかを確認 |
事業の内容 |
目的を達成するために行う法人行為について確認 |
実質的支配者 |
法人の経営を実質的に支配できる関係にある人物について確認 |
実質的支配者は「議決権の25%超を保有する自然人」、あるいは「出資・融資・取引その他の関係を通じて事業活動に支配的な影響力を有すると認められる自然人」と犯収法で定義されています。
なお、この2つのどちらかにも当てはまる自然人がいない場合は「法人を代表し、その業務を執行する自然人」が実質的支配者として認められます。
ハイリスク取引
ハイリスク取引は、取引金額が200万円を超える高額になるなど、通常よりさらに厳格な顧客管理が必要になる取引を指します。ハイリスク取引での確認項目は以下の通りです。
本人特定事項 |
書類2種類による法人の名称・本店あるいは主たる事務所の所在地の確認 |
取引を行う目的 |
取引によってどのような内容を達成したいのかを確認 |
事業の内容 |
目的を達成するために行う法人行為について確認 |
実質的支配者 |
法人の経営を実質的に支配できる関係にある人物について確認 |
資産及び収入の状況 |
取引を行うのに相応しい資産・収入があるのかを確認 |
通常取引との違いは、本人特定事項の確認に2種類の書類提出を求めることと資産および収入の状況確認することの2点です。
法人確認の要項については、「法人にも本人確認が必要?犯収法に基づいた確認方法とは」の記事を参考にしてみてください。
法人確認はeKYC化することも可能
従来の法人確認は、対面や郵便で実施されることがほとんどでした。しかし現在では、法人確認もeKYCでデジタル化できます。
eKYCとは、オンラインで完結する本人確認手法です。犯収法の確認要件に沿った本人確認がオンラインでできるため、スムーズにサービスまでつなげられるというメリットがあります。
また、法人確認は個人に対する本人確認よりもチェックすべきポイントが多くありますが、eKYCサービスによっては、反社チェックを代行するBPOサービスを利用することも可能です。存在確認、住所確認、反社チェックを自社ですべて担当するのが難しいという企業担当者は、eKYCサービスが提供しているBPOサービスの利用も検討してみてください。
eKYCについては、「オンライン本人確認「eKYC」とは?特徴や仕組みを徹底解説」の記事で詳しく紹介しています。
法人確認を行うなら「ネクスウェイ本人確認サービス」
BtoBで事業を行っていて法人確認業務のDX化を進めたいという方は、ぜひ「ネクスウェイ本人確認サービス」をご検討ください。
ネクスウェイ本人確認サービスとは、以下のようなサービスです。
●高水準の画像認識技術やセキュリティ管理を誇るeKYCサービス
●本人確認書類の目視確認を代行するBPOサービス
●住所確認に欠かせない郵送業務を代行する本人確認・発送追跡サービス
それぞれ以下で詳しく解説します。
eKYCサービス
「eKYCサービス」では、スマートフォンで撮影した容貌画像と運転免許証などの本人確認書類の画像だけでスムーズかつユーザーへのストレスフリーな本人確認が可能です。すべてオンラインで完結するため、サービス開始までの時間が従来の本人確認よりぐっと短縮される他、業務コストや人材コストを削減できます。
また、本人確認システムを最短2ヶ月で構築・導入いただけるスピーディさもメリットです。
本人確認BPOサービス
リソースが必要になるeKYC後の目視・提出書類との突合確認も、「本人確認BPOサービス」をご利用いただければワンストップで確認完了できます。
また、本人確認BPOサービスでは反社チェックも代行可能です。各種機関やメディアなどから情報収集し、危機管理専門家によってチェックされた最新情報を蓄積しているデータベース「リスクアナライズ」から、担当のオペレーターが結果を検索代行してデータ連携します。
突合確認から法人確認に必要な反社チェックまでまとめて対応しているので、複数のツールを併用するなどして無駄なコストを支払う必要がありません。
本人確認・発送追跡サービス
住所確認に必要な郵送業務も「本人確認・発送追跡サービス」にお任せください。取引関係書類の印刷・封入から転送不要郵便での発送業務まで、まとめて代行いたします。郵送業務にかかる郵券費や人件費のコストカットができるようになるだけでなく、発送状況をAPI版かWebブラウザ版で共有するので業務効率化にもお役立ていただけます。
まとめ
法人確認とは、企業や人格のない社団または財団に対して行う本人確認のことです。オンラインでの取引が広まっている昨今、企業のコンプライアンス遵守やリスク管理の面からも法人確認の重要性が高まっています。
法人確認では、「存在確認」「住所確認」「反社チェック」が主に確認すべきポイントになります。さらに、犯収法の特定事業者においては、このポイントに加えて取引時に取引の理由などの調査が必要です。
ネクスウェイ本人確認サービスではさまざまなパターンの法人確認にも対応しています。法人確認の対応に関しては、ネクスウェイまでお気軽にご相談ください。