eKYCの対応機種について手法ごとの違いを解説
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近年、オンライン本人確認「eKYC」は様々なサービスに利用されています。スマホやパソコンさえあれば場所・時間を問わず利用できるため、ユーザーにとって利便性が高く、事業者にとってもサービス離脱者を減らせるなどのメリットがあります。
しかし、eKYCの手法によっては対応していないスマホ機種もあるため、全てのユーザーが必ず利用できるとは限らないのです。eKYCの導入やリプレイスをお考えの事業者様は、eKYC手法別の対応機種について理解しておくことで、より最適なサービスを選定できるでしょう。
この記事では、eKYCの手法によって対応している機種について解説していきます。
目次[非表示]
- 1.オンライン本人確認「eKYC」に非対応端末はある?
- 1.1.eKYCの手法とは
- 2.【一部の機種に対応】ヘ方式・ワ方式
- 2.1.ヘ方式・ワ方式のメリット
- 2.2.ICチップが読み取れないとeKYCはできない!?
- 3.【多くの機種に対応】ホ方式
- 4.eKYCで対応機種以外のスマホチェックポイントは?
- 4.1.OSのバージョン
- 4.2.ブラウザの種類・バージョン
- 4.3.セルフィー撮影環境
- 4.4.インターネットの通信環境
- 5.ユーザーのスマホが非対応機種だった場合の対処法
- 6.まとめ
オンライン本人確認「eKYC」に非対応端末はある?
オンライン上で本人確認ができるeKYC。今主流になっている確認手法では、ほとんどのスマートフォンの機種が対応しています。しかし、eKYCの手法は他にもいくつか種類があり、方法によっては使える機種が限定される場合もあるのです。
eKYCの手法とは
eKYCは、犯収法が2018年に改定された際に、法的に有効な本人確認として認められました。これは、インターネット環境の普及や、オンライン上の取引が今後さらに増加することが予想されてのことでした。
その確認手法は犯収法で定められており、通称「ホ」「へ」「ト」「ワ」「チ」の5種類の確認方式があります。
次から、具体的な確認手法について解説いたします。
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【一部の機種に対応】ヘ方式・ワ方式
確認方式「へ」と「ワ」は、ICチップの読み取りができるNFC機能がついた一部のスマホ機種にのみ対応しています。
確認方式「へ」 |
運転免許証やマイナンバーカードなどのICチップ情報と本人の容貌画像の送信を利用した確認方法 |
---|---|
確認方式「ワ」 |
マイナンバーカードのICチップに付与された公的個人認証を利用した確認方法 |
なお、マイナンバーカードにおいてはNFC機能がついている機種でもIC読み取りに対応していない場合があります。自社サービスのeKYCを選ぶ際は、ユーザー層や求めるセキュリティ強度に対して対応機種に問題がないかを事前に確認しておく必要があります。
本人確認方法ごとのセキュリティ強度の違いに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
JPKI(公的個人認証サービス)についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
JPKI(公的個人認証サービス)とは?マイナンバーカードによる認証の仕組みやワ方式の要件を解説
ヘ方式・ワ方式のメリット
対応機種は限定されるものの、ICチップ情報の読み取りを利用したへ方式とワ方式には様々なメリットがあります。
ICチップ情報が読み取れれば、書類の突合や目視確認は不要なため、審査申し込みの24時間対応が可能になります。そのため、顧客がサービスを利用開始するまでの時間の短縮につながります。ただし、深夜や休日でも対応できるのは申し込みだけであり、最終的な本人確認まで完了できるわけではないので注意しましょう。
また、読み取りや改ざんが難しい「耐タンパ性」の高いICチップ情報を利用することで、偽造やなりすましといった不正に対しての安全性が高められるというメリットもあります。
マイナンバーカードを利用したeKYCについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
eKYCサービスを提供する「ネクスウェイ本人確認サービス」では、このようなICチップ読み取りに対応したeKYC「ICチップ署名検証」をオプションとしてご用意しています。
ICチップが読み取れないとeKYCはできない!?
それでは、ICチップが読み取れない機種ではeKYCができないのでしょうか。結論からいえば、そのようなことはありません。むしろ、eKYCで最も一般的に取り入れられている手法では、ほとんどのスマホ機種が備えている機能を使って実施できます。
次からは、多くの機種に対応しているeKYC手法であるホ方式について解説いたします。
【多くの機種に対応】ホ方式
ホ方式では、カメラが起動できれば基本的にどの機種でも対応しています。ホ方式は、事業者が提供するアプリやブラウザから、本人確認時に撮影された容貌画像と本人確認書類の画像を送信することが要件です。
カメラ機能とインターネットに接続できる環境さえあれば、時間や場所を気にせずに本人確認が行えるのが大きなメリットです。
eKYCの手法についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
eKYCで対応機種以外のスマホチェックポイントは?
eKYCをスムーズに行うために対応機種を確認しておくことも重要ですが、それ以外にもチェックすべきポイントがいくつかあります。機種は対応していても、他の理由でeKYCに対応できないことも少なくありません。
ここでは、ユーザーがeKYCを行うにあたって対応機種以外にチェックすべきポイントについて解説いたします。
OSのバージョン
eKYCシステムは、iOSやAndroidなどOSのバージョンが常にアップデートされていることを前提として構成されています。そのため、OSが極端に古いと対応できない場合があります。
eKYCの実施以前に、アプリが起動しない、そもそもアプリのダウンロード自体ができないといった状況になることが考えられます。
ブラウザの種類・バージョン
OSだけではなく、SafariやChrome以外のブラウザを使用している場合も注意が必要です。多くのシステムではSafariかChromeの使用を想定しているので、その他のブラウザでは利用できない可能性があります。
また、ユーザーが推奨ブラウザを使用していても、バージョンが古すぎるとeKYC画面を表示することができないケースもあります。
eKYC利用時に、注意事項としてこれらの内容の案内をユーザーに向けて表示することでトラブルを回避できるでしょう。
セルフィー撮影環境
本人確認にスマホでセルフィー(容貌写真)を撮影するだけというのは手軽な印象ですが、撮影環境が悪いとうまく画像認識されないこともあります。eKYCには、顔に影などがかかっておらず鮮明な写真が必要になるためです。
薄暗い場所や光の反射が多い場所を避けて、まっすぐ正面から顔を撮影できるようにすることで認識されやすくなります。また、メガネに光が反射したりフレームで目の部分が見えない場合などは外して再度行うと認識できることもあります。
セルフィーで撮影環境による認識不良が発生したら、ユーザーに対して「明るい場所で撮影してください」といった指示を表示したり、再撮影を実施することで離脱を防ぐことができます。
インターネットの通信環境
場所を問わず行えるのがeKYCのメリットですが、ユーザー側のインターネット通信環境にも影響を受けてしまいます。Wi-Fi環境で行ってもらうのが理想的ですが、難しい場合は通信状況が少しでも良い場所で行ってもらう必要があります。
通信状況が不安定な場所では、eKYCの途中で送信エラーになってしまったり、撮影枠が表示されず画面が黒くなってしまうなどのトラブルが起こる可能性があります。
通信環境に関しても、eKYC開始前に事前にユーザー側へ注意喚起をすることで、接続が切断されるといったトラブルを避けることができます。
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ユーザーのスマホが非対応機種だった場合の対処法
eKYCでは、ユーザーのスマホが自社で提供するeKYCの非対応機種だったり、ユーザーがスマホの機能を使い慣れているかどうかによって対応できなくなることが想定されます。このような状況の解決策としては、eKYCだけではなく、すぐに他の本人確認手法へ切り替えられるよう準備しておくことが挙げられます。
他の本人確認方法として有効な、郵便を利用した本人確認への切り替えについて解説いたします。
転送不要郵便の発送に切り替え
eKYCに対応できなかったユーザーに対しては、郵送による本人確認をへ切り替えるケース場合が一般的です。
郵送による本人確認では、まず、必要書類を転送不要郵便で申込時に提示された住所に送付し、郵便物が受け取られることでその住所に本人が確かに居住していることを確認します。その後、本人確認書類の写しを2点(犯収法第6条1項1号リ)又は1点とマイナンバー確認書類(犯収法第6条1項1号ヌ)の送付を受けて本人確認が完了します。
あるいは本人限定受取郵便を送付し、受け取り時に本人確認書類を提示することで完了する方法(犯収法第6条1項1号ル)もあります。
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ユーザーを離脱させないeKYC手法の幅広さが重要
導入するeKYCサービスを選ぶなら、今回ご紹介したような多くの手法をカバーしているかどうかに注目しましょう。
多くのeKYCシステムで利用されているホ方式では、機種が対応していることがほとんどですが、セルフィー撮影に苦手意識がある、カメラが故障しているなどの理由で本人確認を実施できずにサービスへの離脱につながってしまう可能性があります。
マイナンバーカードのICチップを読み取るだけのワ方式や転送不要郵便での確認も選べるなど、ユーザーのより利便性が高い方法で本人確認ができれば、離脱を防止できます。
まとめ
今回は、eKYCができる対応機種について詳しく解説いたしました。ユーザーにとっての利便性や、自社サービスが求めるセキュリティ強度に合わせてeKYCの手法を選ぶことも重要ですが、手法によっては一部の機種に依存してしまうことは留意しておきましょう。
eKYCには犯収法によって定められている様々な手法があり、手法によっては機種の制限があります。例えば、ICチップ情報の読み取りが必要なへ・ワ方式ではNFC機能がある一部の機種のみの対応になります。しかし、一般的な手法であるホ方式ではカメラ機能が使用できれば実施できるため、ほとんどの機種で利用可能です。
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様々な本人確認手法に対応しているeKYCサービスをお探しならば、ぜひ「ネクスウェイ本人確認サービス」をご検討ください。上記のホ・へ・ワ方式に対応したeKYCをご提供するほか、適切な通信環境がないなどeKYCに対応できないユーザーに対して、転送不要郵便の発送を代行する「本人確認・発送追跡サービス」もご用意しています。
ネクスウェイ本人確認サービスなら、幅広い方式のeKYCからその後の本人確認業務までオールインワンでおまかせいただけます。ぜひお気軽にご相談ください。
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