本人確認はデジタル化できる?オンライン本人確認eKYCの方法を解説
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近年、行政が業務のデジタル化・DX化を推進するための取り組みを行い始めたことで、自社でもデジタル化を進めたい、本人確認もデジタル化したいと思っている事業者の方もいるでしょう。
この記事では、日本におけるデジタル化の流れを紹介するとともに、オンラインで本人確認ができるeKYCと従来の本人確認の違い、eKYCによる本人確認の方法について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.近年求められているデジタル化・DX推進の流れ
- 1.1.デジタル庁が「重点計画」が閣議決定
- 1.2.日本企業のデジタル化・DX推進における課題
- 1.3.日本企業のデジタル化への取り組み
- 2.本人確認のデジタル化はできる?
- 2.1.従来の本人確認(KYC)
- 2.2.本人確認(eKYC)のデジタル化
- 3.本人確認をデジタル化する目的
- 4.本人確認のデジタル化で注意すべき法律
- 5.eKYCによる本人確認の方法
- 5.1.セルフィーと本人確認書類の撮影
- 5.2.セルフィーとICチップ読み取り
- 5.3.本人確認書類画像の送信+顧客が許可する銀行のAPI利用
- 5.4.マイナンバーカードのICチップ読み取り
- 5.5.本人確認書類の画像またはICチップ情報読み取り+転送不要郵便
- 6.eKYCを導入してデジタル化を進める流れ
- 7.eKYCを導入するなら「ネクスウェイ本人確認サービス」へ
- 8.まとめ
近年求められているデジタル化・DX推進の流れ
近年、感染症拡大防止をきっかけの一つとして、行政手続きを始めとしたさまざまな取引やサービスのオンライン化が進められました。そもそもデジタル化やDX化については、感染症拡大が問題になる以前から、労働人口の減少や手続きの効率化を理由に政府から推進されてきた流れがあります。
ここでは、行政や企業におけるデジタル化・DX化推進の流れについて解説します。
デジタル庁が「重点計画」が閣議決定
デジタル庁は、2019年に日本社会のデジタル化を目的として設置されました。
設置以来、デジタル庁では行政手続きのデジタル化やマイナンバーカードの普及を進めるなど、さまざまな取り組みを行ってきました。さらに、社会全体でのデジタル化を進めるための指標として2023年6月に閣議決定されたのが「デジタル社会の実現に向けた重点計画重点計画」です。
重点計画では、デジタル化によってどのような社会を目指すのかという目標や理念、原則とともに、重点的に実施する取り組みの内容について示されています。
日本企業のデジタル化・DX推進における課題
日本の企業がデジタル化・DX化に際して抱えているもっとも大きな問題は、既存システム(レガシーシステム)の改変の困難さです。
レガシーシステムは、企業内でも各事業部門ごとに構築されてブラックボックス化している場合が多く、企業全体で一気に変更するとなれば、業務全体の見直しからが必要になる可能性もあります。経営者がデジタル化・DX化を望んでいても、現場の変更に対する反発が強く、どこから手をつけたら良いのか分からないという状況になっているところも多い傾向です。
しかし、レガシーシステムでは、最新技術を元に作られているデータなどに対応できません。そのため、DX化が推進されている現在の市場におけるデジタル競争についていけなくなってしまう可能性があります。
市場に置いて行かれないようにするには、レガシーシステムから脱却して、新しいシステムに移行していく必要があります。
新しいシステムへの移行ができなければ、これからの顧客のデータ活用にも支障をきたす上、レガシーシステムの維持管理費も高騰していきます。
その経済的損失は2025年以降、最大で約12兆円にものぼると予想されています。企業は、この「2025年の壁」と言われる期限を目処に、課題解決に着手していく必要があるでしょう。
日本企業のデジタル化への取り組み
日本社会のデジタル化・DX化を受けて、課題は大きいものの日本企業は業務のデジタル化への取り組みを進めています。しかし、実際にデジタル化・DX化に取り組んでいる企業は大企業も含め一部にすぎず、いまだ手つかずの状況にある企業も少なくありません。
とはいえ、少ないながらも、大企業・中小企業でデジタル化による業務効率化に成功している事例もあります。企業の規模に関わらず、デジタル化・DX化は推進可能だということです。
具体的な企業のデジタル化への取り組みによくある例としては、Saasやクラウドサービスなどの導入による業務効率化などが挙げられます。
本人確認のデジタル化はできる?
政策においてもデジタル化の取り組みが重要視されている現状を受けて、本人確認業務もデジタルで完結させたいという事業者の方もいるでしょう。ここでは、デジタル化した本人確認方法と従来の本人確認方法を比較しながら見ていきましょう。
従来の本人確認(KYC)
従来の本人確認は、対面で行う方法と郵送を利用した方法の2種類が一般的でした。
対面での本人確認は、ユーザーに窓口まで来店してもらって行う方法です。窓口でサービスの申し込みを行う際に、本人確認もまとめて実施できます。
ユーザーは、店舗や窓口の時間内に直接出向いて、必要書類と本人確認書類を提出します。事業者側はその場で本人確認書類のコピーをとり、書類と本人確認書類を突合して相違や矛盾がなければ本人確認が完了するというのが一連の流れです。
郵送での本人確認は、サービスの申し込みの際にユーザーが記入した住所に必要書類を送付して、ユーザーから本人確認書類が添付された書類を返送してもらったあとに、内容に相違や矛盾がないかを確認するという流れになります。
本人確認(eKYC)のデジタル化
本人確認業務をデジタルで完結させられる方法として近年注目を集めているのが、オンライン本人確認のeKYCです。このようなeKYCの中でも主流となっているのが、スマホから本人確認ができる方法です。
ユーザーがスマホで本人確認書類と本人の容貌を撮影して、サイトにアップロードをするだけで本人確認が完了します。eKYCは従来の本人確認より工数が少なく、本人確認業務にかかる時間も短縮されるため、業務効率化につながるのも魅力の一つです。
本人確認をデジタル化する目的
本人確認をデジタル化する目的として、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が公表している資料(本人確認のデジタル化・厳格化の推進について)では、次のように述べられています。
「官民のサービスをデジタル化し、個人が安心してそれを利用できるようにするため、当該個人が確実に本人であることを証明でき、かつ、サービス提供側がそれを確認できるようなデジタル技術による本人確認手段を促進する。」
つまり、本人確認のデジタル化は、デジタル化されたサービスや取引をより安全に実施するのが目的です。また、従来のアナログでの本人確認は偽造がしやすく、不正リスクが高い方法なので、本人確認のデジタル化によって不正リスクを軽減するのも目的の一つと言えます。
本人確認のデジタル化で注意すべき法律
本人確認のデジタル化を進める上では、いくつかの法律に注意しなければいけません。ここでは、特に注意すべき以下の3つの法律について解説していきます。
●犯収法
●携帯法
●番号法
各法律について説明するとともに、関係する事業者についても紹介します。
犯収法
犯収法は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の略称です。マネー・ロンダリングやテロ組織など反社会的勢力への資金供与を防止するのを目的に制定された法律です。
犯収法では、金融機関を始めとする士業、宅地建物取引業者、電話受取代行業者、宝石貴金属取引業者などの犯収法で定められた特定事業者に本人確認の義務が課せられています。
犯収法については「犯罪収益移転防止法とは?概要や本人確認(eKYC)の要件について」の記事をご参照ください。
携帯法
携帯法とは、「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」の略称です。携帯電話の不正利用や犯罪利用への防止を目的として制定されました。
携帯法では携帯電話販売事業者や、MVNOを含む通信事業者、契約代理業者、レンタル携帯電話事業者などが対象になります。
携帯法については「携帯電話不正利用防止法とは?本人確認要件とeKYC手法3つを解説!」の記事をご覧ください。
番号法
番号法は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の略称です。マイナンバー法ともいわれ、マイナンバーを取り扱う際の取り決めが示された法律です。ユーザーのマイナンバーカードで本人確認を実施する事業者はすべて適用されるので、特に気をつける必要があるでしょう。
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eKYCによる本人確認の方法
eKYCは、犯収法で定められた要件に則った確認手法です。よく使われる手法は、本人容貌画像と本人確認書類を撮影した画像の送付を受ける方法ですが、他にもいくつかあります。ここでは、eKYCによる本人確認の方法を詳しく解説していきます。
セルフィーと本人確認書類の撮影
犯収法第6条第1項第1号に定められた確認要件(ホ)に該当する方法です。
eKYCを利用する事業者が提供しているサイトやアプリから、ユーザーがセルフィーと本人確認書類を撮影した画像をアップロードして送信するという流れです。サイトやアプリから撮影された画像に限ることで、操作しているのがユーザー本人であることを確認します。
もっともよく利用されている手法で、まばたきなどの生体反応を見るライブネス判定を取り入れたり、画像を人の目で目視確認したりすることで不正対策しているのが特徴です。
セルフィーとICチップ読み取り
犯収法第6条第1項第1号に定められた確認要件(へ)に該当する方法です。
ユーザーは、eKYCを利用する事業者が提供するサイトやアプリからセルフィーを撮影するとともに、写真付き本人確認書類のICチップを読み取って、チップ内の情報を送信します。ICチップの読み取りには、専用のリーダーを用意するか、読み取りに対応するスマートフォンが必要です。また、ICチップに格納された情報を展開するのに暗証番号が求められます。
本人確認書類画像の送信+顧客が許可する銀行のAPI利用
犯収法第6条第1項第1号に定められた確認要件(ト)に該当する方法です。
事業者が提供するサイトやアプリからユーザーが本人確認書類を撮影して送信したあとに、事業者がユーザーの申告した銀行のAPIへ問い合わせて本人確認情報を照会します。または、本人確認書類画像の送信とともに、ネットバンキングの口座へ事業者から少額を振込んだ履歴のスクリーンショットの送信を受けることで確認します。
銀行で保有している本人確認情報と照らし合わせるため、セキュリティレベルが高い方法ですが、活用されているシーンはまだ多くはありません。銀行側でも最新の本人確認が実施済みである必要があることと、APIを公開している銀行が少ないことがデメリットです。
マイナンバーカードのICチップ読み取り
犯収法第6条第1項第1号に定められた確認要件(ワ)に該当する方法です。
マイナンバーカードのICチップに付与された公的個人認証から署名用電子証明書を読み取り、認証局へ有効性を問い合わせる方法です。マイナンバーカードを保有しており、かつ公的個人認証サービスの利用者しか使用できません。
しかし、確認プロセスはICチップの読み取りとパスワード入力の2つだけなので、ユーザーにとっては確認手法(ホ)よりも簡単で利便性が高いと言えるでしょう。
本人確認書類の画像またはICチップ情報読み取り+転送不要郵便
犯収法第6条第1項第1号に定められた確認要件(チ)に該当する方法です。
ユーザーからの本人確認書類の画像の送信もしくはICチップ情報の読み取りに加え、事業者から転送不要郵便を送付して受け取りを確認することで本人確認を実施します。セルフィーがうまくいかない場合などに対応できるのがメリットです。
eKYCを導入してデジタル化を進める流れ
eKYCを導入して本人確認のデジタル化を進める流れは、大まかにまとめると次のようになります。
1.eKYCサービス申込書を提出する
2.担当者とキックオフミーティング
3.eKYCサービス担当者から送られた導入資料(ヒアリングシート、ご利用の手引き)を受け取る
4.ヒアリングシートを提出する
5.ヒアリングシートの内容を受けて、eKYCサービスから開発環境が納品される
6.開発環境のテスト、修正を行う
7.テストの完了をうけて、eKYCサービスから本番環境が納品される
8.本番環境をテスト
9.テスト終了後、利用開始
eKYCを導入後は本人確認の業務フローが変わるため、社内への周知も徹底しましょう。
eKYCの導入の詳細な流れについては「eKYC導入前に知っておくべきこととは?まとめて解説」の記事で詳しく紹介しています。
eKYCを導入するなら「ネクスウェイ本人確認サービス」へ
デジタル化推進のためにeKYCを導入したいという方は、ぜひ「ネクスウェイ本人確認サービス」にお任せください。
eKYCの導入によって本人確認のデジタル化が可能とはいえ、100%デジタルでの対応ができるわけではありません。ネット環境が整っていないなど、ユーザーの状況によっては郵送での対応が必要になるケースもあるでしょう。
ネクスウェイ本人確認では、eKYCに加えて郵送での本人確認に対応する「発送追跡サービス」を提供しています。「発送追跡サービス」では、発送する書類の印刷・封入・送付など、郵便での確認にも対応可能です。
本人確認のデジタル化をお考えの方は、デジタル化だけでなくデジタルで対応できないシーンにもお応えできるネクスウェイ本人確認サービスをぜひご検討ください。
本人確認業務の押印廃止を検討している方の中には、「本人確認をオンライン化するため、eKYCの導入を考えているが、どのサービスが良いか分からない」といった悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
まとめ
近年、「2025年の崖」問題も迫り、日本社会のデジタル化推進への動きはますます高まっています。サービスや取引の安全性を担保するのに欠かせない本人確認においても、デジタル化が重要となってくるでしょう。
本人確認は、eKYCの導入によってデジタル化をすることが可能です。自社サービスにあったeKYCの手法を導入してデジタル化を進めたいという方は、デジタルでの本人確認が利用できないユーザーにも郵便対応を委託できる「ネクスウェイ本人確認サービス」をぜひご利用ください。